●一人親方労災保険とは
本来、労災保険は事業所の従業員等“労働者”の業務災害や通勤災害に対して補償をおこなうことを目的とした制度です。そのため、ご自身が事業主にあたる“一人親方”は労災加入の対象に含まれません。
しかしながら、建設業などの一人親方は事業の実態や災害発生状況が限りなく労働者に近いため、労働者災害補償保険法(法第五十号)の規定により、『特別』に労働保険の加入を認めています。
その制度を一人親方の労災保険特別加入制度(一人親方労災保険)といいます。
建設連合・兵庫県建設組合 一人親方部会で受付が可能な業種は、建設業に従事し、現場で管理や作業をおこなう建設連合・兵庫県建設組合の組合員の方が対象となります。
一人親方労災保険の加入は、希望者が直接労働局で手続きをすることはできず、労働局から認可を得た『一人親方等の特別加入団体』でおこなわなければなりません。
建設連合・兵庫県建設組合 一人親方部会では、平成23年4月より認可を得て、一人親方労災保険を取り扱っています。
●一人親方労災保険の加入資格
建設連合・兵庫県建設組合 一人親方部会の一人親方労災保険に加入できる方は、下記のすべてに該当する方です。
○建設連合・兵庫県建設組合の組合員であること
○建設業を一人親方として営んでいること
一人親方とは、実態として労働者(従業員)ではなく、お一人で建設業をしている方で、「労働者(従業員)を一切使用しない」または「労働者を使用したとしても見込みとして年間100日以内である」方です。その他、一人親方と生計を同一にされている同業種家族従事者(専従者)の方も対象になります。
※労災保険上、設計・管理業や測量、地質調査のみを行われる方は、当組合の一人親方労災保険の対象にはなりません。
○当部会が指定する誓約事項に違約しない方
●一人親方労災保険の保険料等
納付いただく保険料等は、一人親方労災保険料と事務手数料を合計したものです。労災互助会(任意)に併せてご加入の場合は、労災互助会掛金も必要です。
保険料は、加入時に選択いただく「給付基礎日額」により算定されます。年度途中で給付基礎日額を変更することはできませんので、ご自身の所得や給付内容に合わせて設定してください。
詳しい金額等は、労災保険料一覧表をご覧下さい。
保険料は、月毎や分割納入ではなく、納入期限までに組合指定口座に一括してお支払いいただきます。
また、労災保険料は、厚生労働省により年度ごとに見直されるため、労災保険料率が変更された場合には保険料額に変更が生じます。その場合は、年度更新時に精算されます。
●加入に必要な書類など
○加入申込書・誓約書
※指定様式がありますので、当組合まで請求ください。
○確定申告書など、建築業の一人親方であることが確認できる書類
※兵庫県支部で建設連合国民健康保険にすでにご加入の方は、省略できることがあります。
○身元確認書類
※運転免許所・健康保険証など
○保険料等
※加入申込書に基づき金額を算定し、当組合より保険料等納付書をお送りいたします。
●新規加入手続きの流れ
①当部会までお電話等にて加入申込書などの書類一式をご請求ください。
②加入申込書・誓約書をもれなく記載していただき、必要書類を添えて当部会までご提出ください。
③ご提出いただいた加入申込書に基づき保険料等の金額を算定し、当部会より保険料等納付書をお渡しいたします。
最寄りの金融機関等より、指定の口座へお振込みをお願いします。
④お振込みが確認できましたら、出来る限りご希望の資格取得日より効力が発生するよう手続きを行い、後日、加入証と事務委託承諾書を交付いたします。資格取得日は、お振込み確認後3営業日以降です。
●特定業務と加入時の健康診断
従事する業務内容と従事した期間によっては、加入時に必ず組合所轄労働基準監督署指定の医療機関で、指定項目を満たした健康診断を受診しなければなりません。これは加入申請時の健康状態を確認することによって、加入以後の保険給付等を適正におこない、制度の健全な運営をはかることを目的として実施されます。健康診断の結果、加入時に既に疾病にかかっていると判断された場合は、加入が認められなかったり、給付を制限されたうえで加入が認められたりする場合があります。加入申込書は正確にご記入ください。
この健康診断費用は無料です。
○特定業務(業務の種類や従事する期間は変更されることがあります)
業務の種類 | 業務に従事した期間 |
---|---|
粉じん作業を行う業務 | 3年 |
振動工具使用の業務 | 1年 |
鉛業務 | 6ヶ月 |
有機溶剤業 | 6ヶ月 |
●主な給付
給付種別 | 給付事由 | 給付内容 |
---|---|---|
療養(補償)給付 | 労災のケガや病気により、病院等で治療を受けた場合の医療費が支給されます。 | 治療にかかる医療費全額(給付基礎日額による違いはありません) |
休業(補償)給付 | 労災のケガや病気による療養のために、業務に服することができない時に休業した4日目から支給されます。 | 1日につき、給付基礎日額80%相当額を支給 |
遺族(補償)年金 | 労災のケガや病気で死亡した場合に支給されます。 | 遺族の人数に応じた日数分の年金を支給 |
葬祭料 | 労災のケガや病気で死亡した場合、葬儀をおこなった方に対して支給されます。 | 315,000円+給付基礎日額30日分、または給付基礎日額の60日分を支給 |
●労災保険給付の申請手続き
○労災事故が発生したら…
①病院等の窓口で建設連合・兵庫県建設組合 一人親方部会の「一人親方労災保険加入証」を提示し、必ず「労災事故」であることを申し出て診察を受けてください。
②医療機関によって支払い方法が異なりますので、医療機関窓口でご確認ください。
労災指定病院での受診 | 労災指定病院以外での受診 |
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支払は不要 ⇩ 労災申請書(様式第5号)を医療機関に提出 |
支払が必要(医療費は、一旦全額をお支払いください) ⇩ 労災給付申請(様式第7号)により還付されます |
③建設連合・兵庫県建設組合 一人親方部会に至急ご連絡ください。
どのような労災保険給付申請が必要になるのかを判断するために、状況等を伺います。詳しくご報告ください。
また、労災事故報告書を当組合にご提出ください。
④組合が状況に応じた申請書をお渡し(送付)します。
申請書の種類によって医療機関に提出していただくもの(様式第5号)と、医療機関から申請書に証明を受けた後、組合所轄労働基準監督署に提出していただくもの(様式第7号、様式第8号など)があります。
●労災保険の有効期限と年度更新
一人親方労災保険は、次の3月31日まで有効です。
毎年2月下旬までに、次年度への継続意思を確認をします。
継続又は脱退等をお伺いする内容になっていますので、必ず指定日までに同封されている申請書を建設連合・兵庫県建設組合 一人親方部会まで返送してください。
なお、給付基礎日額の変更は、この年度更新時にしか行うことができません。
ご返答を確認次第、次年度の保険料等の納付書を送付しますので、指定日までに納入ください。
3月末までに次年度の加入証をお送りします。